ライフサイクルの心理学 下 (講談社学術文庫 1027)

  • 講談社 (1992年6月1日発売)
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感想 : 4
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(上)で提示された概念をさらに敷衍。実用書ではなく、学術的だから仕方ないが、断定的でない物言いが目立った。ライフサイクルの最大公約数を提示した感じに終わった。しかし、ライフサイクルが個人だけにとどまらず、社会、文化をも包摂して見ていく視座であるとの指摘は興味深い。いずれにぜよ、本書によって、40代男性の私は、自分を俯瞰する大きな視野が得られたことは間違いない。

・人生半ばの過渡期では、年長であることにプラスの意味を見出さなければならない。若さと老いの新しい道を探す。
・文学:チェーホフ、イプセン、ストリンドベリ、オニール「氷人来る」、リリアン・ヘルマン「秋の庭園」
・夢は外界と自己という原始的な意識から生まれる。夢は人生に興奮と活力を与えてくれる。アイアムという意識とつながっている。
・さまざまな年齢の女性との付き合いを新たに求めることで、自分や他人の中にある男らしくない面と共鳴できるようになる。
・各発達段階は他の発達段階と相互浸透し合っている。
・40歳を過ぎることへの強い不安は人類の原体験の表れ。
・若さと老いを文化的なシンボルとイメージからも考える。
・男性本位の克服。豊かなアイデンティティの取得。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本<心理・認知>
感想投稿日 : 2013年4月28日
読了日 : 2013年4月28日
本棚登録日 : 2013年4月28日

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