反哲学入門 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2010年5月28日発売)
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哲学とはプラトンから始まる西洋固有の見方であり、日本では本当のところ理解しにくい、との出発点から、西洋哲学史が流れるように語られる。大変に興味深いく読めた。個別の哲学者の著作は読んでいても、なかなか俯瞰的な視点は得られないものだからだ。ニーチェ、ハイデガーに持ってくるまでが白眉か。仏教の縁起思想の位置づけを考える上でも参考になった。

・つくる、うむ、なるの三つで全ての神話が整序できる。
・丸山:つくるでなるを乗り越える。ハイデガー:なるでつくるをのりこえる。
・ソクラテスにあるのは知りたいという欲求であって、積極的に示すことはない。
・「書物の運命」
・デカルトの近代的自我は神的理性の出張所。
・神学、科学、哲学の調和の時代が17世紀の理性主義。
・ニーチェ、ヤスパース、ハイデガーは実存主義ではない。
・存在するものの全体を、生きておのずから生成するものと見、自分もその一部としてそこに包み込まれ、それと調和して生きる時と、その存在する者全体に<それはなんであるか>と問いかける時とでは、存在者の全体へのスタンスの取り方がまるで違います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本<哲学>
感想投稿日 : 2013年4月18日
読了日 : 2013年4月18日
本棚登録日 : 2013年4月18日

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