最後の文章に感動を禁じ得ない。
「世の中がだんだん良くなっていくのは、一部には、歴史に残らない行為によるものだからである。そして、私たちにとって物事が思ったほど悪くないのは、人知れず誠実に生き、誰も訪れるこのない墓に眠る、数多くの人びとのおかげでもあるからだ」
中産階級の女性に光を当てた本作の独創性はいくら強調してもし過ぎることはない。
心根がよいところに、最後は派手ではないが、一つの幸福が訪れることを伝えてくれる。傑作だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本<文学>
- 感想投稿日 : 2021年5月14日
- 読了日 : 2021年5月14日
- 本棚登録日 : 2021年4月22日
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