大人が絵本に涙する時

著者 :
  • 平凡社 (2006年11月25日発売)
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本棚登録 : 229
感想 : 40
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絵本を選ぶ目は確かだと思う。しかし、それらを紹介する記述がくどいというか、胸に響かない。本を紹介する難しさをあらためて感じた。絵本に寄りすぎているか、本人が出過ぎているかのどちらかで、エッセイに成りきれていない。

ただし、『星の王子様』だけは飛び抜けて素晴らしい。亡くなった息子さんとのやりとりがなまなましく、心の深みが感じられるからだ。

・絵本は文学の重要なジャンルではないか、いや正確に言えば、絵本とは、簡潔に洗練された言葉と象徴的な絵と音読する肉声とが一体となって物語の時空を生み出す独特の表現ジャンル。
・なぜ「今、大人こそ絵本を」なのか。1.仕事やお金のことばかりではなく、豊かな感性や相手を思う心などに気づかせてもらえる。2.落ち込んだとき、年老いたとき、心をほぐしてくれる。3.メディアが錯綜する中で、絵本は親と子、大人と子どもが同じ空間と肉声と表情と物語の世界を共有できる
・幼少期の感情の分化を再体験する。
・一般的には「回想」することで、楽しいと感じることが多い。人生のさまざまな変化に対して、うまく適応していくのを助けるのが回想。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本<絵本・児童文学論>
感想投稿日 : 2014年7月16日
読了日 : 2014年7月16日
本棚登録日 : 2014年7月16日

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