放送現場の様子や、試合状況に合わせてのテンションの付け方など、プロのアナウンサーならではの話で興味深くはあったが、もう少し具体的な体験談を増やした方がより読みやすかったし、それは著者のキャリアなら出来たはず。そこが少し惜しい。
個人的に成程だったのは、野球中継で「第一球を、投げました」と言うくだり。確かに普段ラジオで聴く実況も「第一球を、」でほんの少し切ってる。数字の部分もややインパクトを強めにして。これなら言葉のテンポと投球動作がリンクして臨場感があるし、状況も分かり易い。神は細部に宿る、ではないけど、野球ほど実況の歴史が長いと、こんな洗練された細やかな技術が、視聴者とグラウンドをより近づけてるんだなと気付かされた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文化・スポーツ
- 感想投稿日 : 2015年11月23日
- 読了日 : 2015年11月23日
- 本棚登録日 : 2015年11月23日
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