昭和とわたし 澤地久枝のこころ旅 (文春新書 1231)

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  • 文藝春秋 (2019年9月20日発売)
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 昭和5年生まれ、澤地久枝さん「昭和とわたし」、2019.9発行。戦前~戦中(満洲)、敗戦~引揚げ(棄民)、日本の戦後(異郷)。植民地の姿は容赦ない弱者淘汰、満州でのいい身分での生活。敗戦、戦争に負けた日本は満洲にいた人々を見棄てた。この話は、著者の他に、藤原てい、五木寛之らによって語られています。そして、外地から帰った日本人は余計者であり異端者であったと。どこに住んでいても大変な時代だったと思います。この他、出会った人や考えたこと、心の海にある記憶、向田邦子さんのことなどが語られています。
 節子が完成させた啄木の人生。志村喬が亡くなり、夫人は高倉健に「健さん、わたし死にたい」。「自分は明日、ロケで南極に行きます。帰って来るまで、死なんでください」。杖を手に、青山通りで、長身の男性が美しい笑みを浮かべて身をかがめている。その視線の先には、バギーカーに乗せられた幼児がいた。声楽家、藤原義江の晩年の一瞬。ノンフィクション作家、澤地久枝、1930年生まれ。「昭和とわたし」、2019.9発行。大の仲良しは1つ上の向田邦子さんでした。満州からの引き揚げ、東京でのバラック生活、ご苦労されたようです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伝記・自伝
感想投稿日 : 2021年6月3日
読了日 : 2021年6月3日
本棚登録日 : 2021年6月3日

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