骨餓身峠死人葛 (岩波現代文庫 文芸 117 野坂昭如ルネサンス 6)

著者 :
  • 岩波書店 (2008年1月16日発売)
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感想 : 15
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まずは「骨餓身峠死人葛」というタイトルだけで脳天ぶち抜かれる。淫靡で艶やかに美しくしかも逞しく。資源生み出す炭坑の閉鎖的でむさくるしい活気の中、屍を糧に妖しく花咲く死人葛。その貪欲な生命力は戦後日本のアナーキーな復興力をも匂わせる。収録作の全部がえげつないほどの図太さに貫かれている。逞しく剥き出しに生きることの美しさと醜さの両極を剥き出しに描ききる。エログロなぞの括りに収まりきる代物ではない。血と肉と本能と純情の迸り。濃密に絡みつく文章に潔く毒されよう。それにしてもあのキャラでこの文体、かっこええな野坂。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2014年1月13日
読了日 : 2013年10月19日
本棚登録日 : 2014年1月13日

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