アナイス・ニンの著作はちくま文庫の『アナイス・ニンの日記』と官能小説集『小鳥たち』を読みましたが、この評伝は『小鳥たち』に繋がるアナイスの少女時代のエロチカを仄めかしています。実際『小鳥たち』の訳者は矢川澄子であるわけで、本文に隠されたアナイスの秘事を暗示するかように「モデル」の新訳を再収録しています。矢川澄子の少女性への偏愛は顕著で、妖しく艶やかにこの評伝にもこめられているのですが‥。その後の熟されたアナイスの姿が見え難く、やはり繕いのない露わなアナイスを知るには無削除版日記を読むしかないのでしょうね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
評伝
- 感想投稿日 : 2014年1月12日
- 読了日 : 2013年5月26日
- 本棚登録日 : 2014年1月12日
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