古典が大苦手、日本文学全集の第一巻として池澤訳で上梓されなければ生涯読むことはなかったと思う。日本の起源を崇めるような内容であることへの懸念もあった。ところが読み始めるや否や展開のスピードとダイナミズムに巻き込まれもう止まらない。始めは苦痛だった系譜の羅列も次第に名称の由来の奥行や色目かしさ、言葉遊びのユーモアに魅せられ(池澤氏の脚注の尽力による)、幼い頃から馴染みある説話が繋がるのも新鮮であった。敗者に寄り添う物悲しさ、悲恋とエロティシズムなど小説的要素も強く、こんなに面白い書だったとは…知らなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2015年1月4日
- 読了日 : 2015年1月4日
- 本棚登録日 : 2015年1月4日
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