私説東京繁昌記 (ちくま文庫 こ 4-18)

  • 筑摩書房 (2002年4月1日発売)
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本棚登録 : 92
感想 : 8
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私も著者同様、東京に生まれ育ち今に至っている。(この著書にも書かれている町だ)。ここ以外の場所に、思いを馳せ帰るべき故郷などない。再開発という名の町殺しに唯一の地元が失われつつある。この嘆きを分からぬ者には、著者の憤りは素通りし滑稽にすら思われるだろう。刻々と醜悪で血の通わぬ表情に変貌し衰退していく東京。この流れはこれからも加速していくだろう。それでも東京を諦めきれない著者の執着がノスタルジーを排除した怒りとなって貫く。言わずもがなレトロな東京なんて嘘くさくていらね。人間が根付き息づく町でいてほしいだけ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 東京論
感想投稿日 : 2014年1月13日
読了日 : 2013年12月10日
本棚登録日 : 2014年1月13日

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