七姫幻想 (双葉文庫 も 13-1)

著者 :
  • 双葉社 (2009年1月14日発売)
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本棚登録 : 212
感想 : 31
5

面白い!森谷明子さんの本は、作品の種類が多様で、それぞれが面白い!その中でも、こういう歴史から題材を得たものは本当に面白い。
文章のリズムも、きっと、私に合っているのだろうと思う。読んでいて心地よいのです。
秘かに続いている伝説が、少しずつ世の中と触れ合う物語。あの人やこの人が伝説の中に意味を持っていく過程が、なんだかとってもすっきりと懐かしい感じがします。
紫式部の香りがすると、読んでてニンマリしてしまいます。
地図アプリが発達した昨今、伝説の中で生きるのは難しい、伝説が生まれるのは難しいのだろうな、と思いました。
情景描写が巧みで、美しく心に残ります。情景の中に詠みこまれた「情」が切なく迫ります。
新しい作品がどんどん生まれてほしい作家さんです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2019年6月6日
読了日 : 2019年6月4日
本棚登録日 : 2019年6月6日

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