ファウスト-悲劇第二部 (中公文庫 ケ 1-5)

  • 中央公論新社 (2019年5月23日発売)
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感想 : 8

ワルプルギスの夜に最愛の女性を救えなかったファウスト。舞台はギリシア神話の色濃い世界へと移ります。全てを見たいと欲していたファウストが盲人と化し、勘違いの上に至上の喜びを感じた結末は皮肉的でもあり、同時に向上心が強く、理想を抱き続けたファウストらしさも感じられます。キリスト教的な価値観で言えば、異教であるギリシア神話の世界との交流やファウストの犯した様々な悪行は救済に値する物ではない様に思えますが、単なるヨブ記的調和としての救済ではなく、ここにゲーテが作品に託した想いがあるのかもしれませんね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年2月10日
読了日 : 2022年2月10日
本棚登録日 : 2022年2月10日

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