ケイレブ: ハーバードのネイティブ・アメリカン

  • 平凡社 (2018年12月8日発売)
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17世紀のハーバード大学にネイティヴアメリカンの学生がいたという史実をもとに、そのネイティブアメリカンの幼馴染の少女が出会いから進学・学生生活などを語るという形式のフィクション。
イギリスからアメリカの島へやって来た宣教師家族の娘ベサイア。15歳で亡くなった母の代わりに家事を背負っている。まだ、母がいたころは野山を駆け回り、そこで先住民の少年ケイレブと仲良くなる。ベサイアが教える英語をケイレブは吸収し、ケイレブが教える先住民の言葉をベサイアが理解する。やがて、ケイレブはベサイアの兄と共にハーバードを目指す。

先住民に対する偏見、女性に読み書きは必要ないという常識、先住民をキリスト教に改宗することが正義。乗り越えるべき様々な課題にぶつかるベサイアとケイレブ。お互いを信頼する気持ちは終生変わらず、並外れた才能で困難に望んでいく。

いろいろ考えることの多い状況ながら、読後感は良かった。もっと良い環境が待っていたであろうという気持ちもあるけれど、信頼感に支えられた二人の友情は美しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(海外)
感想投稿日 : 2019年5月21日
読了日 : 2019年5月21日
本棚登録日 : 2019年5月18日

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