沈黙,アビシニアン (角川文庫 ふ 18-2)

著者 :
  • KADOKAWA (2003年7月25日発売)
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本棚登録 : 360
感想 : 38
5

初、古川日出男。すごい文章。
眼前に、書かれたイメージが浮かび上がってくるような文章。テンポも綺麗。

『沈黙』は音楽を軸にしている。のめり込んでいく過程が凄く丁寧で、気付いたら引き込まれている。
沈黙を破るための歌声、音楽。沈黙と言う言葉に、あらゆるものが組み込まれている気がする。

『アビシニアン』というのは猫の種類だそうで、これを読むまで知らなかった。
アビシニアンが起点になっている。それは、恐らく死や愛、悲しみというイコンにも置き換えられる。
だから、なんだか悲しい。けれど、とても素直な物語だと思う。

両者とも、素敵な話。
忘れそうになっている(又は忘れた)何かを、取り戻せる感じ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年5月22日
読了日 : 2012年5月22日
本棚登録日 : 2012年5月22日

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