恐らくこの映画を面白いと思わない人は、例えば戦争を始めたら「勝つ!」ことしか考えられない究極のポジティブマインドが備わっているからのような気がする。
それは恐らく、「♪走り出したら止まらないぜ」みたいな横浜銀蝿的ヤンキー気質を是とする、或いは「欲しがりません、勝つまでは!」みたいな大政翼賛会的婦人会連合気質を是とする、それはそれは美しい日本の私達だからなのかもしれない。
しかし欧州人は、そんな私達とはチョッと違う。
例えば↑の映画でも「この戦争が終わったら・・・」的な言動が、毎日がパラダイスの上げ上げムードのドイツ軍将校からでさえ発せられる。
恐らく彼らは、盛者必衰のことわりを常に忘れていないのである。
だからこそ「もし原発事故が起きたら…」という仮定も現実問題としてシュミレーション出来るし、ドイツとフランスでは全く正反対の見解で国としての見解は確立しているのだろう。
悲しいかな、私達にはそれが出来ない。
と言うか、そういうときには必ず思考停止に陥る。
もちろん、そんな状況では「原発に賛成or反対」位の議論しか出来ない。
そして更に悲しいのは、そんな二元論から脱却し私達の行く末を真にシュミレートする能力が伴わない限り、原発問題だけでなく消費税云々や社会保障改革に対する真剣な議論など出来ないということに私達自身が気付いていないことである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
純文学・芸術作品
- 感想投稿日 : 2017年6月25日
- 読了日 : 2012年6月30日
- 本棚登録日 : 2017年6月25日
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