マシアス・ギリの失脚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1996年5月29日発売)
3.78
  • (72)
  • (83)
  • (102)
  • (12)
  • (2)
本棚登録 : 784
感想 : 64
5

初夏の爽やかな暑さに身を委ねる季節、真夏の照り返す日差しに汗ばむ季節。そんな時にゆったりとじっくりと、ずっと読んでいたい物語。

人は生まれる前は鳥で、死んだ後も鳥だった。そんな文化が残る架空の南島ナビダード。大統領マシアス•ギリがどのようにその地位まで登り詰めたか、そして転がり落ちるのか。島民の噂話や寓話を散りばめながら描かれる彼の生涯は、雄大で、野心的で、美しく、儚い。

この物語が私に与えてくれた感傷と教訓は、亡霊のように、永遠に失われないだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 純文学
感想投稿日 : 2024年4月28日
読了日 : 2024年4月28日
本棚登録日 : 2024年4月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする