絶対城先輩の妖怪学講座 四 (メディアワークス文庫)

  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014年6月25日発売)
3.94
  • (16)
  • (32)
  • (15)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 296
感想 : 23
4

ちょ・・・、絶対城先輩、なんかすっごい可愛らしく「礼音ラブ」に、なってるんやけど、これって罠?
そんな分かりやすいラブ展開になんかならへんよね、このシリーズ!?

借りては返し、返しては借りを繰り返してようやく読めたんやけど、苦労して(?)でも読めてよかった!
今回は杵松さんと絶対城先輩の出会いも語ってもらえたし、なにより絶対城先輩と礼音の距離感が・・・。
ふつうの恋人同士みたいになっててどうも座りが悪い・・・!

イヤ、ええねんよ、この二人はこの二人でイチャコラしてくれはったら!
礼音ちゃんもかわいいしさ・・・。
でも、基本的に妖怪ネタだけでこのシリーズはお届けしてもらえるのかと思っていたので、嬉しい誤算で御座いました。
絶対城先輩よりもつかみどころのない杵松さんは今回でかなりオープンになった様子なので、これ以上のどんでん返しはないかな?

絶対城先輩を裏切らなくて、よかった(杵松さんが・・・)。

・・・。そうやねんなァ、作中でもちょいちょい礼音ちゃんがいうてるけど、杵松さんも絶対城先輩が好きなのね・・・。
(イヤもうBLとかにあらず)

ちゅうかむしろ、絶対城先輩が杵松さんのことが好きやねんね。
それはもう、礼音ちゃんのことを大事に思うのと同じような感じで、杵松さんが大事みたい・・・。

相変わらず絶対城先輩の過去は明らかになってへんけれども(今回もちょっとだけネタが振られたかな? のっぺらぼうによるネタばらしだけでは、私には何のことやら予想もつかんけど)、それでも絶対城先輩って周囲に愛されすぎやろ。
何この人、愛されキャラか。
かまってちゃんならぬ、かまわれちゃんやったのか。
そういうポジションやったのか。

それが、この1冊を通して明らかになった事実やな。絶対城先輩は、受けだ。

(どーん)

著者の文章は独特やけど、読み始めると面白くてスルスル読んでしまう。
途中、声に出して笑うくらいノリがよかったりするので、読み始めるとイッキやな。

今回みたいに、短編連作の構成も大好き。
杵松さんが出張ったおかげか、絶対城先輩の妖怪うんちくもやや少なかったので、余計にさらさら読めた。

でも、この本はほんまの(?)怪奇現象が起こってどうという話よりも、人間が何かの欲望に沿ってしでかしてしまったことに、「妖怪のしわざ」と、いう後付けをうまいこと加えるものらしいというのは、過去四冊でわかっていたつもりやけど、その理由が、

「妬みや悲しみの類の感情が一度根につくとなかなか外れないから、『それは怪異のしわざ』と、外的要因を後付けするもの」

と、いうことも含まれるらしく、

「ははあ、なるほどなあ!」

と、思った。そもそも日本に伝わる怪異の根本がそれなんかもしれへん。
怪異はやっぱり恐ろしいものやけど、弱い人間が負の感情を自分の中に取り込まないようにするために考え出された策なのだとしたら、それはそれで、昔の人ってうまいこと考えるもんやな、と、思った。

また、そういうのってまったく何もないところからは生まれないというのも絡んでくると・・・。
どこまでなら「ほんまにあること」でどこからが「後付けされたもの」なのか、興味深くは、あるなあ・・・。
そういうのも「妖怪学」の一環なんかな。


まあそれにしても、絶対城先輩は礼音ちゃんが好きね・・・(二度目)。
ドレスなんて、プレゼントしてたかしら・・・? と、ちょっとそのへんの展開は忘れちゃってるけれども(ゴメン)、
「ドレスを着ても似合わない」
と、いう礼音ちゃんに
「それ(=似合うかどうか)を判断するのはお前じゃないと言ったろう」
と、返す絶対城先輩なんて・・・。

直訳したら、

「似合ってる」

の、一言に尽きるよね・・・。どうしてこう、とうへんぼくな言い回ししかできひんのか。
ほんで、どうしてこう、ニブチンなのか、礼音は!!!

苛々を通りこして、もはやキュンとしたわ、この二人!! キー(不本意)。

ほんま、絶対城先輩っておいくつなのかしら。
そういうところも徐々に明らかになっていく予定? だよね??

でも、

「ゆっくり慣れていい」

って・・・!

「俺でよければ待っていてやる」

って・・・!!
な、なにその殺し文句・・・! キュンで死ねる・・・。

(しかし礼音ちゃんにはほぼ伝わっていない模様)

絶対城先輩による礼音ちゃんへのこの執着が、妖怪絡みやったらもう泣くで私。
ここまでキュン死にさせといて最後まで頭の中が妖怪のみやったら礼音ちゃん以上に私が泣くで!?

もちろん、妖怪うんちくも面白いし、すぐに続編を読もう。


でも、次こそは・・・!
次こそは、ふつうの冬服を着てちょうだい、礼音!!

深紅のドレスなんてものはいわん。せめて、ふつうにパーカーとジーンズくらいでええんちゃいますのん。
真冬にタンクトップとショートパンツはないわ。革ジャンを新調せんと、違うなにかかわいいアイテムを、誰か見繕ってあげて!!

(ああだから絶対城先輩がドレスを・・・)

その間でなんかお願い。

■■■■

■糊塗 こと

[名](スル)一時しのぎにごまかすこと。その場を何とか取り繕うこと。「失態を―する」

(2016.09.22)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年11月5日
読了日 : 2016年9月22日
本棚登録日 : 2016年11月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする