悪貨 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社 (2010年6月21日発売)
3.45
  • (15)
  • (59)
  • (80)
  • (14)
  • (0)
本棚登録 : 422
感想 : 84
4

島田雅彦という作家を初めて知ったのは、爆笑問題のピープルという本で対談しており、売れる小説より人を救える小説の方がずっと価値がある、というようなことをいっていたのを見たときだった(10年位前か)。

その頃からなんとなく、浮世離れしているけど本質を捉えようとしている玄人好みの作家だという認識を持ち、ツイッターなどではフォローしていた。

といいつつも、小説を読んだのは今回が初めてだったわけであるが、先日投稿した「悪と戦う」を探しながら「悪貨」のことを思い出し、「正義の話をしよう」(マイケルサンデル)を最近読んだことも相俟って、正義とか悪とか自分が好きだったものが今自分に再び集まってきているとやや信心めいた気持ちで読んでみた。



感想は、思っていたよりずっとストーリーやプロットがよく考えられており、やっぱり小説ってエンターテイメントだな、というのが読後の最初の印象。

与えられたテーマも、時代を捉えたものだが経済小説のようでもあり、社会風刺のような面もあって、村上龍のようでもあるなとも思った(村上龍の小説もちゃんと読んだことはないが)。

そういえば、島田雅彦はくだんのピープルで、村上龍の小説はどうしても目を通してしまうといっていたような気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 娯楽
感想投稿日 : 2010年7月31日
読了日 : 2010年7月31日
本棚登録日 : 2010年7月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする