贖罪の奏鳴曲

著者 :
  • 講談社 (2011年12月22日発売)
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ミステリー、エンターテイメントとして見事な作品でありながら、主人公の目を通して描かれる、犯罪加害者の矯正と贖罪というテーマが全編をつらぬき、読み応えあり。
小説の中でなくても、日々ニュースで凶悪犯罪を耳にするこのごろだから、そういう犯罪者の心理をあえてフィクションで扱う際は、怖いもの見たさの野次馬根性をそそるように、その狂気を殊更刺激的で幻想的に表現しがち。というか、あらゆる娯楽にそういう嗜虐的な表現がはびこっていて、うんざりなのです。
でもこの作品は犯罪者の心理に真摯に向き合いながら、わずかな光をさがす、そういう作者の姿勢が素晴らしいなと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年3月8日
読了日 : 2012年3月8日
本棚登録日 : 2012年3月8日

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