ピアニスト、弁護士、法医学者、保育士、もちろん刑事も。
著者の主人公はバラエティーに富んでいて,その引き出しの多様さに感心するばかり。
そして、今作は、銀行員!
債権回収部門に配属された主人公結城が、上司の山賀の背中を見ながら、回収困難とされた案件に次々着手し、見事に成果を上げていく。
上司の殺人事件の謎解きがメインといえる推理小説ではあるが、池井戸潤ばりの金融小説と言ってもいいか。
専門家から見れば、こんなに都合よくにはいかないよ、との指摘もあるだろうが。
しかし、山賀の次の言葉には、共感する面々が多いことだろう。
「バブル崩壊の責任の一端はその時々の回収担当者にもある。そいつらが自分に課せられた仕事をこなし、先送りになんかしなかったら、あんな崩壊の仕方はしなかった。金融に身を置く者の無責任さと他力本願が日本経済を崩壊させたんだ」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
金融小説
- 感想投稿日 : 2019年7月10日
- 読了日 : 2019年7月9日
- 本棚登録日 : 2019年7月10日
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