源氏の薫り

著者 :
  • 求龍堂 (1997年5月1日発売)
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感想 : 4

薫り、匂いの面から源氏物語を読み解いている。

こういう源氏物語の読み解き方もあるのだなと感じ興味深かった。視覚だけでなく嗅覚の描写が、イメージがつきやすい物語なのだと改めて感じた。
源氏物語の中で、ニンニクの香りが臭く、人に会えないと書かれている部分も現実味がある。

源氏の光と影の部分を匂宮、薫に引き継がせていることや、薫の持つ芳しい体臭が、仏を連想させる考察や、匂ひ、薫りの違いは、にほひが、色の美しく照り輝く様を、かおりは嗅覚的なものの美的表現であるという話は、納得がいった。(源氏物語では、ほぼ違いがないように使っているのも解説されている。)

登場人物が選ぶ薫りに性格が象徴されていたり、初めは、香りの描写が少ないが、徐々に増えてくるのは、紫式部が香りの知識を身につけていったからではないかという考察も、あり得そうだと感じた。

取り上げる香りに関する考察が源氏物語に出てくる順番ではないので、内容が前後するが、各章とも、スラスラ読めてしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月7日
読了日 : 2024年2月7日
本棚登録日 : 2024年2月7日

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