ついに手を出してしまった、御子柴シリーズ。
岬洋介シリーズが清廉潔白な 白シリーズ だとしたら
御子柴礼司は 黒シリーズ なのだろうなと、躊躇していたのですが
レビューを読んで、好奇心が抑えきれなくなりました。
読んでみると、やはり黒い! それなのに、とても魅力的。
ベートーヴェンの <熱情> と共に、死体遺棄シーンから始まるなんて。
それぞれテーマ曲が当てられるのも、中山氏の作品の魅力的なところです。
悪辣な依頼人の仕事を引き受け、法外な報酬を搾り取る御子柴弁護士。
手段を選ばず、どんな罪状も勝訴に持っていくという。
第一作の今回は、三億円の保険金殺人事件を担当。
一方で、最初の遺体遺棄事件を追うのが 捜査一課の渡瀬と古手川。
渡瀬がいい味を出していて、御子柴との対峙にわくわくしました。
今回、御子柴は報酬の見込めない国選弁護人を引き受けています。
それは何故なのかを理解したのは、渡瀬でした。
立場は違うものの、洞察力の鋭さにおいて、二人は同類です。
そしてこの作品の肝は、なんといっても御子柴の過去の物語でしょう。
御子柴と名乗るようになった事情など、少年時代が詳しく語られます。
98% 嫌な人間だと思って読み進めていたのですが
終盤になるにつれ、御子柴を 魅力的にさえ思い始めていました。
保険金殺人事件 裁判の行きついた先は…驚愕でした!
これなんですね、御子柴シリースの魅力は。
第二作は予約している状態で、まだ手元にありません。
見切り発車で借りてきた第三作を先に読むべきかどうか…。
悩ましいところです。
- 感想投稿日 : 2021年12月19日
- 読了日 : 2021年12月19日
- 本棚登録日 : 2021年12月19日
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