いえ

著者 :
  • 祥伝社 (2022年2月9日発売)
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本棚登録 : 1718
感想 : 183

『まち』を読んですぐ。
いきなり喫茶店『羽鳥』登場!
そして、気になっていた瞬一君のその後も判明。
さらにさらに、砂町銀座商店街のコロッケも。
これって『まち』にも出てきたけれど
『ひと』の舞台になっていた場所ですよね。
ずっと前に読んだので、ぼんやりしか覚えていないけど。

さて、この作品。
主人公は 三上 傑(すぐる)、25歳。
3歳年下の妹が事故に遭い、
足を引きずってしか歩けない体になってしまう。
妹の彼氏で傑の親友でもある大河の運転が原因。
結果、傑と大河の関係が疎遠になり、
大河と親しくしていた傑の家族も
お互い 関係がぎくしゃくするようになる。

人間関係って、なかなか難しい。
結局、適切な距離をとること…に尽きるのかな。
ただ、家族って近過ぎるところが問題。
無理って思ったら、物理的に離れることですよね。
傑くんのお母さん偉い!って思っちゃいました。
そして、頭と気持ちのずれを縮めるのは
もう、時間しかない、ですよね。

この作品は傑の苦悩が中心に描かれるので
終始ほんわか温かい、というわけではありません。
でも、そこは小野寺氏。
荒川河川敷で吹く爽やかな風を感じつつ
人って、やっぱり いいなぁ…と思わせてくれました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小野寺 史宜
感想投稿日 : 2023年8月9日
読了日 : 2023年8月9日
本棚登録日 : 2023年8月9日

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