人はなぜUFOや宇宙人を見るのか。
著者は実際の報告事例を丁寧に解きほぐし、アブダクション、黒衣の男、UFOカルトなど現代社会に怪しくうごめくオカルト事例を分析してゆく。
妖精伝説などとの類似性を引きつつ、その時代のオカルト的言説が生まれ、伝播してゆく背景が明快に解き明かされていく過程は爽快。
しかし一方、事例から余計な言説の尾鰭が剥ぎ取られていくことで、そこにはどうしても既知の概念では説明できない何かが残る…そう、我々の知らない「何か」が空を飛んでいるのでは?
というのが著者の見解。なんだこれは。
泥沼のようなジャンルに果敢に挑み、デタラメと切って捨てられるような資料にも誠実に向き合った一人の男の記録として評価したい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
民俗学
- 感想投稿日 : 2015年11月8日
- 読了日 : 2015年11月8日
- 本棚登録日 : 2015年11月8日
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