モラトリアム人間の時代 (中公文庫 お 31-4)

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  • 中央公論新社 (2010年4月25日発売)
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日本的マゾヒズム
モラトリアム人間からプロテウス的人間へ
プロテウス的人間は、アイデンティティの拡散を、積極的に肯定し、暫定的・一時的な社会的存在であること自身を新しい同一性として自己を実現してゆく人間
 「「モラトリアム人間」であることを自己のアイデンティティとし、次から次へと自分をいろいろな生き方、考え方に同一化させて変身を遂げ、その過程で自己を自己実現していく自己実現型人間。別名「プロテウス的人間」ともよばれる。」

かつては病理とされた「アイデンティティ拡散症状群」が、受身的性格から積極的性格へと変質し、現代においては、「生涯教育」が象徴するように、生きていくために不可欠な要素となったのである。

「アイデンティティ人間からモラトリアム人間へ」というのではなく、アイデンティティとモラトリアムはともに存在しなければならないのであり、ライフスタイルはアイデンティティによって支えられて、はじめて意味のあるもの、力のあるものとなるのである。「選択」を可 能にする自我の前向きの力こそアイデンティティなのである。
 このようにみると、私たちはアイデンティティのある程度の確立なしには、健康に生きてゆけないといっても過言ではないだろう。」(注38)

読書状況:積読 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年1月5日
本棚登録日 : 2015年12月21日

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