観光庁長官としての溝畑宏氏の講演を聞いたのをきっかけに本書を手に取り、大分トリニータ社長時代のことは何も予備知識がないまま読み進めたのだが、溝畑宏氏が人間として底知れぬ魅力を持った人物というのがよくわかった。しかし、官僚、経営者としては問題がある人物だというのも感じた。著者は、溝畑氏のファイン・プレーは「叩かれても嫌われても全部自分でのみ込んだ愚直な献身」にあるというが、「全部自分でのみ込む」というところこそ、経営者としては問題であると思う。
いずれにせよ、本書は優れたルポタージュであると感じた。朝日ソーラーの林武志氏、市井の行政監視人である永井敬三氏、ペイントハウスの星野初太郎氏、マルハンの韓昌祐氏など「脇役」の描写も際立っていて、それぞれの人間的魅力をよく感じることができた。
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- 感想投稿日 : 2015年11月15日
- 読了日 : 2011年12月26日
- 本棚登録日 : 2011年3月16日
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