思い出のマーニー〈下〉 (岩波少年文庫)

  • 岩波書店 (2003年7月16日発売)
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感想 : 77
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人の世界には内側と外側がある。そして自分は「外側」の人間であると、周囲と自分に高い壁を作り嫌なことがあっても「何も考えない」ことで乗り切ろうとする少女アンナ。
海辺の町に引っ越してきたアンナは、一軒の屋敷に住む少女マーニーと出会い、秘密を共有する親友となる。

上巻では周囲とうまく馴染めないアンナの苦悩とマーニーとの不思議な出会いが、下巻ではアンナに訪れる変化と新しい出会い、そしてマーニーに隠されていた謎が解き明かされていく。舞踏会、森、そして風車小屋…マーニーと過ごした時間は、アンナの固く閉ざした心を溶かし変化と成長に大きく影響を与える。
人は「外側」と「内側」を行ったり来たりしながら周囲と付き合っていく。「外側」であろうと「内側」であろうと、それぞれから見える景色は自分の一部となり、思い出となった出会いも自分の心にしっかりと刻まれ、糧となる。
2014年夏公開ジブリ映画の原作本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 外国文学
感想投稿日 : 2014年7月22日
読了日 : 2014年7月20日
本棚登録日 : 2014年7月19日

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