健斗は5年勤めた仕事を辞めて求職中であり、母と祖父と3人で暮らす。心身の不調を訴え、毎日のように「早う死にたか」とぼやく祖父を、孫の健斗はその言葉の通り叶えてあげようとある計画をスタートさせる。
孫が祖父を死なせようとする考え自体は恐ろしく感じますが、健斗の行動には傍から見ればおかしく滑稽に映るものもあります。ところが本人は至って真剣そのもの。
家という閉塞された世界で密かに実行されていく健斗の思惑。それに対する祖父の行動は本当の衰えか、裏をかいた作戦か?本当のところは本人にしか分からないという面白さと不気味さが混在します。
又吉直樹さんの『火花』とともに芥川賞を受賞した話題作。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2016年1月7日
- 読了日 : 2015年12月13日
- 本棚登録日 : 2015年12月15日
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