文字通り、また、筆者が自ら語った通りの「覚え書き」による体験記。その名の通りの「覚え書き」であるため時系列の前後が多々あり少し読みにくさを感じるが・・・、内容については何の不満も無し。
無知な少女が大本営発表や軍国教育のために思想を染められてゆく様が、気味悪いくらいにリアルに伝わってきた。
エンタテイメントではないので読み始めるには少々「とっつきにくさ」を感じるかもしれない。しかし、日本人はこの本を一度読んでおく価値はある。
★3つ、7ポイント半。
2018.10.29.古。
「先生方の招集があいつぎ、空襲は日本本土全体にひろがる事態にあって、戦争が末期であると考えなかったのは、少女だけではなかった。自分の身が痛みを感じなければ、感情は眠ったままである」
↑↑
当時の(満州に住む)一般市民の心理をうまく言い当てているのだろうな。
また、、、南方諸島で多くの兵が敵ではなく飢えとと闘っていた時分の一部上級軍人たちも同様だろうね。
※最後、筆者による痛烈すぎる現代社会への批判。
澤地さんの想いは、弟の孫へ少しは伝わったのだろうか・・・。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション・伝記系・新書・雑学系
- 感想投稿日 : 2018年10月29日
- 読了日 : 2018年10月29日
- 本棚登録日 : 2018年10月26日
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