人生と密接に結び付く感情や概念を、ドイツ哲学や著者の経験と関連付けて章立てられた一冊。
中でも「退屈について」は印象的であった。
カントによれば、時間の長さはいくらでも自分自身によって変えることができ、充実した人生を送ればそれは長く感じ、怠惰に無目的に過ごせばそれは短く感じ、晩年に人生の長さを嘆くという。
その一方で、退屈を低く評価することなく人生にとって必要な時間だと述べ、むしろ「自ら退屈しない人間は他人を退屈させる(116P)」とキルケゴールから引用している。
表現が断定的である点、自己責任論的な価値観を有している点に留意して読む必要がある。
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- 感想投稿日 : 2016年2月11日
- 読了日 : 2016年2月11日
- 本棚登録日 : 2016年2月11日
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