この小説はミステリーという括りだが、事件解決がメインではない。
メインはLGBT、男尊女卑、育児など社会問題と、登場人物の複雑に絡み合う人間関係。
「都合の良い人物」など出てこない、それぞれが意思を持ち、物語の中で生きている。
スーパーヒーローなんかではなく、私たちと同じく醜い部分を持ち、ときには選択を誤ることもある、そんな人物ばかりだ。
主人公の緑子だが、母親になり変わった。
無鉄砲で感情的なところは変わらないが、身の危険を感じた時に第一に子供のことを考えるようになったことで、人の気持ちにそっと寄り添うことができるようになった。
私は今の彼女の方が好きである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年4月30日
- 読了日 : 2014年4月30日
- 本棚登録日 : 2014年4月21日
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