まどろむように君と―されど罪人は竜と踊る〈7〉 (角川スニーカー文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2005年6月30日発売)
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感想 : 33
4

短編。今巻も短編集だとは思わなかったので意外だったが、読みやすかったし、面白かった。

『黄金と泥の辺』は、オチが見え見えで、それを信じたくなくて、読んでいて苦しかった。
でも世の中はこんなもので、信じる者は救われず、正直者が馬鹿を見ることも多い。
〈侍〉が語られ、ガユスにとって印象深い存在だったと描かれているのも好きだ。
キクチも、ある意味日本人らしい。

『三本脚の椅子』
才能とはなにか。楽しい事と楽なことは違い、好きなことをするのは楽しいこともあるがけして楽ではない。
苦しいこともたくさんあるわけで…。
いろんな愛の形というものも、見せられたと思う。

『優しく哀しいくちびる』
黒シヴのノリは嫌いではないのだが、中盤個人的には冗長に感じて飽きる。
ただ、あとがきによると7時間で書き上げたのだとか。それを聞くと、このテンションというか勢いというか、流れるままのノリにも納得の書き下ろし。
これもオチは端から、少なくとも読者には見えているものの
いつになく素直なガユスにほっとする。
ジヴの気持ちを慮って、看取るなどといったものの、本当はそんなことは無理だという吐露にはちょっとぐっときた。
これがふたりが別れる前のエピソードだというのが切なくなる。

十二翼将の書き下ろしは、個人的にはあまり好きではないです。文章のノリがあまり好きではないし、全員登場は良いけれど
性格付けがちょっと激しすぎるかなという印象。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ラノベ
感想投稿日 : 2011年4月22日
読了日 : 2011年4月22日
本棚登録日 : 2011年4月22日

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