君は放課後インソムニア (4) (BIG SPIRITS COMICS)

  • 小学館サービス (2020年8月7日発売)
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本棚登録 : 298
感想 : 12
5

寝落ちした伊咲の寝息を聞きながら
眠りにつく描写が素敵だ。

まずいジュースで盛り上がるの、あったなぁ。
こういう些細な高校時代の青春描写も非常にうまい。
みんな仲良しで微笑ましい。

バイトを始める丸太だが、
お金の事を父親に相談したくなかった理由が
仲が悪いからというのではなくて
父親が離婚して母親がいなくなったのを
申し訳なく思っていて
その反動で過剰に反応してしまうから、というのが
切なかった。
買い換えられなかった靴のエピソードで
神妙な顔の受川と、笑うかにちゃんの対比も印象に残る。

折角準備してうまくいきそうだった
ペルセウス座流星群観測会が、大雨で中止になるのが
無慈悲だけれど、こういうことあるよなと思ってしまう。
片付けは次回でいいから、打ち上げに行こう、
おごりでハンバーグステーキ行くぞっていう先生が最高だ。
何も成せていないけれど、過程や心情を大事にして
普段はゆるっとしていて締めるところは締めてくれる
良い距離感の理想の先生だと思う。

いつも順調に進んでいると思う時ほど必ず最後に台無しになる。俺いつもこうなんだ
と言う丸太の言葉に泣きそうになった。
でも遅れて行った打ち上げの場で、みんなが
すぐ次の流星群くるじゃん、リベンジしよう
と言ってくれて、また違う涙が出た。

丸太と伊咲を冷やかす先輩に対して、
食べ物で遊ぶのお行儀悪いですよ、と言う受川くんの
育ちの良さとか人の良さとかが滲み出た言葉が好き。

伊咲の提案で、彼女のお婆ちゃんの家を中間地点として
節約しながら星景写真撮影に出かけられそうでほっとした。
先輩みたいな凄い写真が撮りたいという丸太。
観測会が駄目になった今、コンクールにかけないといけない訳で
変なプレッシャーに負けず良いテンションで頑張ってほしい。
私たちの旅のゴールは真脇遺跡。
どんな旅になるのか楽しみだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2021年3月30日
読了日 : 2021年3月29日
本棚登録日 : 2021年3月29日

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