貴方達がいかに目を逸らそうとも男の本質とは程度の差こそあれ正にこの様なもので、人生とは愛とは永遠の愚行なのだ。
しかしそれは温かく満たされるものでもあり得る筈だ。
本書のテーマは男女の間の川に架ける橋はデリカシーであり、違いを尊重する気持ちなのだというのは見えづらいのかも知れないが、それに貫かれているからこそ変態ストーカーでも勝手な男の性の武勇伝でもなく、描かれるのは2つの孤独な魂なのだ。
そしてそれは男女が愛し合うにはお互いに本来これだけの訓練が必要なのだ、ということを拡大して見せる。
人生への肯定性に溢れた本書を私は深く愛す。人生最高の一冊かも知れない。
アメリカ・ビクーニャの存在が、個の幸福の本質的な身勝手さと悲劇性、という視点を添える(なんと、この人は藤壺の身代わりの紫の上ではないか!紫の上の最後がどのようなものであったかを思い出せば、、)。
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- 感想投稿日 : 2018年4月14日
- 本棚登録日 : 2018年4月12日
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