イザベラ・バード 旅に生きた英国婦人 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (2013年10月11日発売)
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本棚登録 : 69
感想 : 9
3

(2020/6/24読了)

19世紀後半に地球を2周か3周した女性旅行家・紀行作家の伝記。

この時代に女性が一人で世界旅行ができたというのがそもそもの驚きだけど、そういう人はほかにも結構いたみたいだ(当然、各地の領事とコネがあるとか特定の身分があってこそ)。

梅雨や蚊などに悩まされていい印象はないみたいだけど、日本にも来訪している。

印象的だったくだり:

「秋田の日雇い人夫は粗野ではあるが、東京の人夫と同様に沈着で礼儀正しく、白沢の少女は日光の少女と同じく落ちついて、子供たちは皆同じ玩具で同じ遊びをし、同一年齢なら年相応の段階を経て成長していくのです。
これはことごとく社会秩序の厳しい足枷に縛りつけられているということであり・・・それ以上に良いところがあると私は思っているので、西洋の慣習やマナーを真似ることによって日本の公序良俗が破られていくのを見ると心から悲しくなってきます。」

北海道に渡ってアイヌとも知遇を得ており、

「彼らは体型がほとんど似ていない日本人から、原始的であまねく広まっている侮りを受けているが、見知らぬ人に親切で愛想がよく・・・一切質問されることなく、まるで“家族の一員のように”歓待された。」

と、バイアスのない率直な感想を残している。

内容は面白かったけど、構成のためか翻訳のためか読みにくくて時間がかかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伝記
感想投稿日 : 2020年12月23日
読了日 : 2020年6月24日
本棚登録日 : 2020年6月24日

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