1~33巻まで一気読みしたので、こちらに感想をまとめます。
大変面白かったです。全篇に渡って、絶望的な強さを持つ大妖である白面の者だけが最後の敵で、それだけ倒せばハッピーエンドという潔い構成も好きですし、大筋とは関係のない細かいエピソードも面白いし、最終戦で続々と集まる人間や妖たちがみんなして協力してくれ、名前もない一般人たちまで主人公たちに助けられたことを覚えていて白面に力を与えてしまう恐怖を追い払うという展開は、本当に、最っ高に熱い!! と思います。隅々まで愛の行き届いた、人間の善性が無限に信頼された世界観が、もう、眩しくってしょうがない。正直、私はうしおの目の輝きに耐えられず裏切った流の気持ちがわかります。この世界で、彼の存在はなんだか悲しくて良い。
そしてなんといってもはずせないのは主人公のうしおととら! 正義感は強いけれどちっとも理屈っぽくなくて、「なんだか気に入らない!」ぐらいの動機で敵に立ち向って行くうしおは、見ていて気持ちが良い。この作品にはたくさんの名言があるけれど、私は物語前半の、「ともだちもよろこびも…笑いガオもとったら…女の子にゃ骨だけしか残らねえじゃないか!!」という台詞が一番好きです。「骨だけ!?」とびっくりすると同時に、「いや…そうかもしれない…」と気押されてつい納得してしまうような、勢いの良い断定がうしおらしくてすごく好き。それから、とらの魅力については、今更語るまでもないけれど…、人間の常識が通じない、身勝手で素直じゃなくて、ユーモラスで意外と勉強家で、…なにを言っても足りないくらい素敵なキャラクターだと思います。まずデザインが素晴らしい。怖いようなかわいいようなかっこいいような、良いデザイン。好き。そして、おそらくこの作品を最後まで読んだ人なら誰にだって同意してもらえると思いますが…、とらの最後のシーン、いいよね。すごく。
ストーリーも世界観もキャラクターも、文句なしに良い! 藤田先生の作品は初見だったけれど、この人ならば信用できる。他の作品も絶対に読みます。面白かった! 満足!!
- 感想投稿日 : 2015年11月23日
- 読了日 : 2015年11月23日
- 本棚登録日 : 2015年11月23日
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