自由の象徴でありながら現代の「帝国」として語られることの多いアメリカ。自由から帝国へと変質させる思想の展開に注目して国際政治学上の「帝国」概念を用いながらアメリカを考察する一冊。民族による紐帯に乏しいアメリカは自由や人権といった思想にその紐帯を求めたが、それは一国に収まるものではないとする説明は示唆的である。本書でなされる指摘は非常に概念的で、また史料や資料の引用は少ない。むしろ、教授の愛する映画と結びつけながら解説する場面が一番筆がのっているあたり、軽い読み物と言える。
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- 感想投稿日 : 2016年3月14日
- 読了日 : 2016年3月14日
- 本棚登録日 : 2016年3月14日
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