天才だもの。 わたしたちは異常な存在をどう見てきたのか

著者 :
  • 青土社 (2010年9月24日発売)
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感想 : 11
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著者による「天才の定義」であるといえる本書。
天才と称される人の人生は「奇行」の連続である。
しかし、この考えはステレオタイプであると、著者は言っている。
そして身近な天才をとりあげている。
無名の天才や不遇の天才。
天才ではなく狂人となってしまった天才。

今のところ「天才」を定義する言葉は無い。
だが、ステレオタイプの天才像が存在するため、それが定義同然につかわれている。
これは、なぜなのだろうか?

それは人々の願いだ。
天才なのだから、どこか常人と違うものであってほしい。
という人々の願いである。

安定している天才はどこか愛着をもてない。
完璧すぎるのだ。
それを人々は認めない。
完璧を人々は認めたくは無い。

完璧がないので
「地味な天才」は存在しないのである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2011年5月28日
読了日 : 2011年5月28日
本棚登録日 : 2011年5月3日

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