朝日小学生新聞「中学入試で取り上げられた本」より。(ちなみに、桜蔭中ほか)
少し前に読んだ『彼岸花の咲く島』で、女性だけが学べる「女語」という言葉が登場した。
こちらは「女書」(ニュウシュ)という女性だけに伝わる文字の話。
理不尽な風習や、古くからのしきたりの中で、自由を奪われてきた女性たち。
「文字があなたの(纏足をした)足の代わりだよ」「思いをつづることで、心がきっと自由になる」p82
誰もが文字を学べ、読み書くことができる今、
指先でつぶやくだけで世界中とつながれる今、
自らの思いを託せる「文字」の持つ不思議な力を、改めて感じた。
文字は、人を生かしもすれば殺しもする。
「言葉を大事にするんだよ」p153
「辛いときは、書きましょう
苦しいときは、歌いましょう」p205
「人は初めて書く文字では、思いやりや優しい気持ちを言葉にする」p251あとがきより
「女書」と検索してみた。
装丁に描かれた刺繍のような美しい右上がりの文字。この文字が、女性たちの悲しみや喜びに寄り添ってきたんだな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年8月22日
- 読了日 : 2021年8月22日
- 本棚登録日 : 2021年8月22日
みんなの感想をみる