平田が幕府からの短文による命に打ちのめされたのに始まり、また「もう自分はこれで自分は人生を終えるのだ」と悟る情景が続くように、
「武士としての心意気や絶望」や「幕府(あるいは村役)との折衝・勝負」が生々しくつづられている。一方で、美濃の地域の人々を想う様子も随所に描かれ、しかし他方で故郷である薩摩を想う(寂しく思う)様子も十分に記述されている。平時の戦との表現も印象的。感情に満ち、時代背景にも満ちた、とても充実した一冊を終えての読後感に浸っている。
(下巻にも共通したレビュー。ただし下巻のレビューには一言付言)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
随筆・紀行文・小説
- 感想投稿日 : 2015年7月17日
- 読了日 : 2015年7月
- 本棚登録日 : 2015年6月26日
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