選書885 日本人の死生観を読む (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2012年2月10日発売)
3.17
  • (3)
  • (5)
  • (9)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 154
感想 : 12
4

宗教学界隈では最近「死生学」なるものが流行っており、授業の課題にも取り上げられたので手にとってみた次第。流行っているのには、やはり高齢化が強く関係しているのだろう。先の大震災関連のこともそれに拍車をかけたと思われる。

さて、普段あまり「死」を意識しない自分にとってはこのように「死」を考えてみるというのはなかなかどうして不思議な体験だった。とくに感傷的になったのは最終章あたりの死についての詩や戦争に赴く者の手記に関するところで、自分は死ぬ前には何を思うのだろうか?

「死」を意識せよ、とハイデガーが言っていたことを思い出す。死生観を考えることはそのまま、生きるという意味を考えることになり、それはうまくいけば生命を研ぎ澄ませることになる。エポケーしまくって据え置いていくのも一つの手だけども、自分の最後の着地点のことぐらいはちゃんと考えて生きることにしようと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: また読み返したい本
感想投稿日 : 2012年6月10日
読了日 : 2012年6月10日
本棚登録日 : 2012年6月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする