宗教学界隈では最近「死生学」なるものが流行っており、授業の課題にも取り上げられたので手にとってみた次第。流行っているのには、やはり高齢化が強く関係しているのだろう。先の大震災関連のこともそれに拍車をかけたと思われる。
さて、普段あまり「死」を意識しない自分にとってはこのように「死」を考えてみるというのはなかなかどうして不思議な体験だった。とくに感傷的になったのは最終章あたりの死についての詩や戦争に赴く者の手記に関するところで、自分は死ぬ前には何を思うのだろうか?
「死」を意識せよ、とハイデガーが言っていたことを思い出す。死生観を考えることはそのまま、生きるという意味を考えることになり、それはうまくいけば生命を研ぎ澄ませることになる。エポケーしまくって据え置いていくのも一つの手だけども、自分の最後の着地点のことぐらいはちゃんと考えて生きることにしようと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
また読み返したい本
- 感想投稿日 : 2012年6月10日
- 読了日 : 2012年6月10日
- 本棚登録日 : 2012年6月5日
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