良い本を読んだ。
変わらない美貌とは裏腹に、醜く老いる肖像画。表面上の永遠の若さと美貌と、魂の変貌を肖像画というモチーフで不気味に生き生きと描写する。
最初がお説教のように古い警句だらけで飽き飽きと読んでいたけど、肖像画が現れてから本から手を離せなかった。秘密を一度隠してしまうと、その罪悪感と猜疑心でますます醜くなる。このままでは必ず報いがある、隠し通せないという恐れと美しさへの魅力の相反する感情に、驚きの幕切れ。
ドリアンも結局は犠牲者だったのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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書籍
- 感想投稿日 : 2020年12月4日
- 読了日 : 2020年11月19日
- 本棚登録日 : 2020年11月19日
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