ホテル暮らしで浮名を流す、気ままな映画スターのもとへ、
離婚で母親に引き取られた11歳の娘が転がり込んでくる。
実に大胆で挑戦的な映画。
さして起伏のあるストーリー展開ではないにも関わらず、
ほとんどの場面にBGMを用いず、ロングショットの固定アングル長回しを多用、
演者に意味のある科白らしい科白を吐かせなかったりする。
正直、分かりにくさは否めないところだが、それ以上に、
意図的に生み出された「間」が、空疎な人生観、それを憂う心性、
父娘双方が、愛想笑いを浮かべながら、
何とかして越えられない壁を越えようとするもどかしさを、雄弁に演出する。
主人公と、主人公の駆る超高級なフェラリーとが切なくに重なる。
ラストシーンは見事の一言に尽きる。
ちなみに娘役はエル・ファニングは、ダコタ・ファニングの実妹だとか。
ご両親、大したもんですね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ドラマ
- 感想投稿日 : 2012年5月3日
- 読了日 : 2012年5月3日
- 本棚登録日 : 2012年5月3日
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