灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館 (2011年9月17日発売)
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本棚登録 : 596
感想 : 75
5

 最初タイトルを見たときは「衝撃のアルベルトの親戚か?」と思ったけど、実際の内容は青春系ラブコメでした。それも、かなりリアルで痛々しい感じの。
 やる気もなく、自分勝手な連中が集まったクラス。それでも、目に見えない形で空気というものは存在していて、それが最悪な形でハマってしまったクラス。
そんな中で孤立することを恐れず、ハッキリと物を言う小早川さんは、カッコイイと思う反面、無謀だと思った。そこが魅力で可愛いんだけど。
 特に、後半の小早川さんが折れてからの展開が、こう、ものすごく興奮してしまいましたね。これまでの硬い印象だからこそ、ゲスいとわかっていても、グッと来てしまった。それからの主人公の行動には痛々しかったけど、それを払拭するクライマックスシーン、ずっと我慢していた鬱憤を晴らす炎と氷の剣無双は、凄く爽快だった。
 だからこそ、もっとページを割いて描写して欲しかった。小早川さんが何を言ったのか、ここまでずっとリアルな世界を描いてきたのだから、読者にわかる形で見たかった。
 でもまぁ、報われる感じに終わってよかったよ、本当に。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・ライトノベル
感想投稿日 : 2012年8月24日
読了日 : 2012年8月22日
本棚登録日 : 2012年8月22日

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