霧が晴れた時 自選恐怖小説集 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (1993年7月22日発売)
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感想 : 93
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日本SF界のレジェンド・小松左京氏、実はこれが初読み。恐怖小説集と銘打った今作は、ホラー小説を中心とした自選作品集。SF要素の強い「影が重なる時」なども収録されているが、<名作中の名作>と謳われた「くだんのはは」に代表される怪奇小説が主。そのテーマは怪談や妖怪譚、国内外の神話や伝承など多岐に渡っており、その振り幅の広さに圧倒される。戦中戦後を経験した著者ならではの作品も多い。コメディ色の強い「逃ける」も好きだが、表題作を含むラスト三作品の流れが抜群に良い。稀代の開拓者が綴る異世界への小旅行を楽しめる一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年2月5日
読了日 : 2022年2月5日
本棚登録日 : 2022年2月5日

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