死んで、居ない者 と 死んでいない=生者 のダブルミーニングのタイトルがぴったりだなぁと思った。
大往生し子や孫が多かったある老人の通夜の後。身内だけが居残っていて、特に悲しみも感傷もなく飲んだり会話したりしている。
その光景は自分の記憶のようにはっきりと目に浮かぶ。
何も起きないがところどころにわずかなささくれがある。
終始まったくシチュエーションは変わらず時間もほとんど進まない。
なんというか、不思議な読後感だった。
同時収録の「夜曲」もとあるスナックのとある時間帯で終始し、ところどころにわずかなささくれがある。この作家のスタイルなのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2020年3月6日
- 読了日 : 2020年3月3日
- 本棚登録日 : 2020年3月6日
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