ブルーエコノミーに変えよう

  • ダイヤモンド社 (2012年6月29日発売)
3.63
  • (2)
  • (7)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 60
感想 : 6
4

ビジョンを示すリーダーはこのくらい夢あふれる語りであるべきなのだろう。簡単なことでないのは明らかでも、これがきっと向かうべき方向だ、と感じさせる。
「プロセス」「原材料」「生産物」「成果」で組まれるフローチャートは思考方法として参考になる。

[more]<blockquote>P013 おそらく京都議定書の最も重大な欠点は、ただひとつの持続可能性の問題、即ち炭素排出量への対処だけを狙いとしていることである。ただひとつの目標を掲げた政策と戦略はほぼすべて、コスト負担があまりにも重いという共通の問題を抱えている。

P050 ビジネススクールの古い教えに基づいて操業している企業は今も多い。その中では、既成概念から踏み出すことは勧められない。

P051 競合他社を圧倒する強みというコア・コンピタンスの盲目的な追求は、企業を社会の倫理から切り離し、道徳面での二重規範を作ることさえある。驚くことに、自社の活動による「悪影響が少ない」ことを、まるでよいことをしているかのように結論づける企業は少なくないのだ。

P064 私たちは生分解性が持続可能性と同一ではないことを学んだ。貧困層の生活や、霊長類の命をリスクにさらすグリーンソリューションは、道徳的、倫理的に受け入れがたい、別の形のグリーンウォッシング、環境偽善にすぎない。

P071 生態系は周りにあるものだけを使い、簡単に入手可能なものでニーズを満たすのだ。その土地の生物多様性があってこそのものであるため、生態系では標準化はほとんど役に立たない。結局のところ、生物多様性は文字通り多様性を基盤にしているのだ。

P074 「自然のMBA」つまり生態系の「見事な適応力」は、資源や存続に必要なものを消費する代わりに、この惑星の物理の力を利用している。「自然のMBA」はとにかく驚異的でその成果は魅力的である。

P115 シマウマは縞模様の相互作用によって生じる空気の流れで、体表温度を8.1℃下げることができる。

P164 すべての惑星が太陽を中心に回り、太陽に頼っているというのに、まるで宇宙には他にやることがないかのように、一房のブドウを実らせる−ガリレオ・ガリレイ

P233 自然では、非や燃焼はどちらかと言えば例外だ。乾物顔料が50%でも、燃焼によって処理することはない。人間は、廃棄物とみなせば何でも、水でさえも安易に燃やそうとする。取り扱いがわからないものは、何でも燃やす。

P284 私たちの周りに豊富に存在する微小なエネルギーを活用する時代がきたのだ。これこそが、まさしくブルーエコノミーが提案していることである。</blockquote>

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年10月18日
読了日 : 2012年9月8日
本棚登録日 : 2018年10月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする