地下室の手記 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1970年1月1日発売)
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本棚登録 : 4481
感想 : 336
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初めてのドストエフスキー。
果たして、これから入って良かったのだろうか…

ただ、人間誰しも持っていると思われる、ドロドロとした部分が非常によく書かれていると思った。

本当はあまり笑える話ではないのかも知れないが、私はこれを所々笑いながら読んでしまった。

主人公、本当にどうしようもないな…本当は友達と仲良くしたいのに、酔っ払って逆ギレし、挙句にお金を貸せ!とか言うし、お店の女の子に説教をし出す(しかも長々と)し…何だよ、コミュ障のぼっちかよ…と思ったが…
一歩見方を変えれば、自分もこうなのかも知れないと、ちょっと思った。
本当はもっと素直に、そして人と仲良くしたいのに、それが出来ない自分がもどかしい。地下室に篭ってしまいたい。うわあああああ!となる時がある。
こういう風に言えばよかった、ああすれば良かったという後悔に苛まれることがある。
そして、私は本当にどうしようもないな、駄目人間だなと思い、どこかに隠れてしまいたくなる。
そうやって、そこからキャンキャン吠えたくなる。

そういう意味では、この本をこのタイミングで読んで良かったと思う。

この作品を境にして、5大傑作が書かれたそうだが…私に、カラマーゾフを読めるのか。
地下室に篭って読んだ方がいいのかな、そんな気持ちである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月9日
読了日 : 2021年2月9日
本棚登録日 : 2021年1月15日

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