えみるの同期・七条と彼が担当するシングルマザー・岩佐さんの話から。
この七条も、描き方のバランスではすげー嫌な奴になりそうなんだけど、「まあでもこういう考え方もしちゃう人いるよな」というさじ加減で悪役にさせずに描くあたりに、作者の思慮深さを感じる。
また、えみるが担当する阿久沢さんとの面談で、半田先輩のメガネ越しの目が描かれたコマは、惚れるわー。
「どんな温厚な人でも尊厳を侵されれば怒ります」
次の母子家庭での高校生男子のアルバイトによる不正受給というのも、こういう法の事実は初めて知り、考えさせられる。
「オレは…そんな悪いことしたんですか…?」
「これって…何の罰なんスか…?」
という言葉、切なすぎる。
このあたりの描き方も、この作者はどのキャラクターに対してもその人物の本音をまず「聴いて」掬い取ることをしようとしてるのが、読んでて沁みるんだな。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年10月5日
- 読了日 : 2021年10月5日
- 本棚登録日 : 2021年10月5日
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