一億三千万人のための 小説教室 (岩波新書 新赤版 786)

著者 :
  • 岩波書店 (2002年6月20日発売)
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本棚登録 : 1213
感想 : 139
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p.43 鏡に映った、そのアホ面は、だれなのか。
   あっ、わたしか。

と、まぁ何度ニシシと笑わせていただいたことだろう! 
独特の小気味よいリズムが刻まれる文章と、ユーモア。それでいて、届いたものに、どしんと胸を突かれた。重い。深い。
こんなに深い物事が、平易、かつ、少し軽薄にも捉えられる文章で、胸に響き、こころを捕まれるなんて!!

この本の中では、二度不快な想いをした。二度、読むのをやめた。そうして、打ちのめされた。著者が「ほら、ごらん」と過去ほくそ笑んだに違いない。
不快な想いは、一時的に怒りを伴ったし、紹介された文章を、社会的道徳を振りかざして弾劾し始めた。そこでハタと気がついた。読むのをやめたのは事実。私は目を背けた。人生の関わりも全く持とうとしていない。つかまえていない!

目の前がすっと広がっていくのがわかる。この本は、文章の書き方や技巧は全く教えていないが、こころを教えてくれた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文章読本
感想投稿日 : 2010年4月20日
読了日 : 2010年4月20日
本棚登録日 : 2010年4月20日

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